鉋を仕込むのは時間に余裕が無いと出来ないな……

  • 2016.12.27 Tuesday
  • 08:04

 

 

     まいどぉ!!( ̄∀ ̄)ノ

 

 

 

わしの数ある鉋の中に名作?と言われる鉋がいくつかある。

まあ、たまたま入手出来たわけだけど、新品で購入したモノは

もっと少ない。

 

そんな中に「寿▲一」という銘柄の鉋があって、碓氷健■吾という名工が打った

そうだ。

 

 

 

 

 

この鉋、寺社新築の応援を要請され参加した際に、そこの棟梁が安く?譲って

くれるというので、付き合いで購入した。

わしの中古の是秀や千代鶴、その他多数ある変な中古に見かねた棟梁が良い

モノ、良い刃物を使わないと良い仕事が出来ないぞ!と、エラソーに言う。

ということで……

 

 

 

 

   押し売り!

 

 

 

されたモノだw

というより、どんなモンか使って見たかったんだけどね(苦笑)

商談が決まってから帰宅。ネットで調べたらかなり高価で取引されている鉋だ。

 

まあ、彼は希少価値と相場を知らないから超破格値で譲ってくれたって事

で許してやることにしよう(笑)

 

で、銭払って貰ってやって来たんだけど、新品ってのは台に刃が収まってないんだ

よね。自分で仕込むんだって。まあ、刃を打つ職人と台を作る職人は別だからね。

 

で、ちょっと仕込み方を教わって帰宅。どうせ棟梁自身の考えも押し売りだろう

から、後にネットでしっかりと調べてみた。

やはり新品で購入すると自分で刃を仕込むのが通常らしい。

 

で、覚悟を決めて自分でやって見る事にした。

 

とりあえず、刃が台にあたる所をチマチマ削っていくらしい。

何処に抵抗があるのか解る様に刃の背中側と両脇に墨汁を塗って仮に台へ軽く

し込む。

 

 

 

 

で、抜くと刃が台にあたるところに墨が付くので、そこがあたって刃が入って行

かないということなので、そこを切れ味抜群の鑿(のみ)でチマチマ削って行く。

 

 

 

 

台の材の殆どが硬い樫材であるため、良く切れる薄い鑿で削って行かなくてはな

らない。更に台の両脇の溝を削る際も幅が狭い鑿を使うのだが、こちらも切れ味

は抜群にしておかなければならない。

 

 

 

 

 

まあ、熟練の大工さん達が読んだら鼻で笑われてしまうような作業なんだけどね。

 

墨が付いたところを全て削ったら再度刃を差し込んで刃の入り具合を見る。

台の刃口(刃が出て来るところ)に出て来るにはきつい場合、また墨を塗って

上記の作業を繰り返す。

 

 

 

 

この作業を何度も繰り返す。兎に角時間が掛かって面倒くさい作業である。

上画像の様に、チマチマした削りカスを見て解る様に少しずつ、少しずつ薄く

削って調整して行く。

 

 

既に新品の鉋台は墨だらけ(笑)

 

 

手で押し込んだ状態である程度、刃口に刃が見えてきたら玄翁で軽く叩き込んで

るのだが、ここで無理に叩き込むと台が割れる事があるので、あくまでも軽く

いて見る事だ。

二枚刃の鉋の場合、この時に裏金も入れて見る。これが入るとまた調整が必要に

なるので、また厄介だ。

因みにこの鉋には裏金がある。まあ、わしはこんなモノは必要ないと思っている

んだけど、鉋の世界は恐い人達が多そうだから……下手な事は言えない(笑)

 

中古で鉋を仕入れると台の頭の両脇にビスを打ち込んである台が来る事がある。

これにはガッカリする。ネットで買い物をするとこういったアクシデントが多々

あるので、自分で改修出来ない、やる気が無い、クレームにするというのなら、

ネットで中古品を購入することは止めた方が良い。

こういったハンドツール(手工具)は以前使っていた人の癖や性格が表されて

いたりすることがあってちょっと面白い。

更に、こういった手工具を修復して使用可能にするのも楽しい。

まあ、こういった作業が嫌な人ってのは中古では絶対に購入しないことだ。

しかし、最初の仕込みが嫌なら初めから仕込んである商品か中古を買うしか

ない。

 

折角の休日に半日以上もかけてこんな作業をしなくてはならない。

 

 

まあ、今時鉋を使う作業自体が時代遅れになりつつあるからね。

綺麗な材木が用途に応じた大きさや厚みに刻まれてホームセンターで販売され

いるしさ。

 

さて、今回の「寿●一」は聞くところによると30年位前?の鉋だが、一応新品

である。

 

まあ、折角の新品。

 

しかし、はっきり言って……

 

 

 

オマエの買いすぎた不良在庫ダロ!

 

 

と、最近確実に思っている。

 

 

 

まあ、一応名品らしいので、わしが扱いきれるのかどうかは、仕込みが完了し

てからだな……

 

さて、どうやら刃が入ったので少し削ってみることにした。

と、その前に中砥石で軽く刃を研ぐ。今回仕上げまで研いでも仕方がないので、

#2000で荒研ぎ。

 

この画像の砥石、現在では棟梁同様嫌いになって使っていないんだけどね。

 

 

 

 

 

で、ある程度研げたので取りあえず削ってみた。

まあ、多少薄くは削れるようだが、チリチリィ〜とネズミの尻尾状態で台の端

っこから出て来た。

 

 

 

 

 

刃口に対して刃の入り角度は悪くは無い。仕込みが悪ければカスが詰まったり

するので、刃口の大きさは、まあこれで良いのかな?と……

刃口から覗いている刃先は均等に出ているのに、画像の様な削りカス。

刃の幅で出て来ない。

 

んーーーーこれは台が狂っているんだな……と定規をあててみる。

ちょっと反りがあるようだ。

 

 

 

 

 

今度は台の調整が必要だなぁ〜って事で台ならし鉋で鉋台の下端を削って調整

する。因みにこの台ならし鉋も中古品である。新品でもそこら辺のホームセン

ターでも売っていることもあるが、こんなモノ使う人間も少ないのか高価であ

る。なので、とても新品で買う気にはならなかった(苦笑)

ところが、ネットオークションで「中古鉋セット」とかで購入すると、結構一

緒に入って来て、大中小と何個も入手出来る事になった。今ではそんなに必要

無い程増えてしまったんだけどね(笑)

まあ、数があれば使い分けが出来るので、それも良しということ。

 

しかし、新品の鉋とは言え長年棟梁のところでデットストック的に保管されて

いたので、いくら保管が良かったとは言え天然の樫材が使われているので多少

反ったり捩れたりしているものである。

しかも、使用環境によっては台が木材なので後々、度々調整が必要になってく

るという工具だ。

 

新品でさえこういった手入れが必要になるのだから、現在のスピード社会では

こんなデリケートな工具は嫌われる。

というか避けられてしまう工具のひとつになってしまった。

 

こんな事を繰り返しやっては、再度台に刃を押し込んでは刃口からの刃の出

確認しては試し切りを行う。兎に角、鉋ってのは使えるまでの仕込みが面倒く

さい工具だ。

 

 

 

 

 

 

 

で、やっと刃の幅で削りカスが出る様になって来た。まあ、板目の面が良く

削れたので、取りあえずはここで妥協。

が、この状態で薄削りをするには今後、実戦で使いながら調整していく。

まだまだ調整が必要なのかよ……ε-(ーдー)ハァ……

 

と思いながら実戦で使っているのだが、名品ではあるがなんとなく自分には

使い心地が合わないんだよね。

兎に角、凄く良く切れる鉋なんだけどさ……

何日も使ってみて、何度も調整してもなんか馴染まない。

 

本当に良く削れる鉋なんだけど、なぜか?わしの「心」に馴染まないとい

う事に至った。手は入れたが「愛せない」と言うことか……

今まで不良在庫にしていた「ヤツ」から買ったってのが一番の原因かもな(笑)

 

まあ、当時鉋初心者みたいなモノだったから、これからがいろいろと自分なり

に「鉋持論」が生まれてくる。

鉋に関しては大会があるくらいなので、釣り天狗以上の鉋評論家が沢山潜伏し

ていると思われる(笑)

 

まあ、わしは仕事や趣味の木工で使うので競うつもりは全く無いしね。

自分の工具は自分が納得出来るような使い方をしたら良いと思っている。

能書きを押し売りして来る輩も多々いるだろうが、聞く時はバカになり、良い

と思った事は知識として吸収すれば良い。

 

そのうちまた「悩める工具達」の中にいろいろと書いてみようかと思う。

鉋ってのは、自問自答で突っ込みどころ満載のネタが結構あるんだよね。

 

 

 

 

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コメント
碁盤が研ぎ台てのがオシャレ(・∀・)♪
  • まねき屋
  • 2016/12/27 2:46 PM
意外なところを突いて来ましたね。
本文には触れないところが流石w

碁石もあるのですが、やはり骨董品です( ̄∀ ̄)

因みに囲碁は出来ません……
  • きのこ堂 ちば!
  • 2016/12/27 8:53 PM
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